おはようございます!伊藤智子です。

先日、目に留まったネット記事があったので、ご紹介したいと思います。

すでにご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

文学部で学ぶ意味

一般的に、「文学部で勉強しても就職につながりにくい」と言われやすいです。

特に男子生徒さんからはそのように相談されることがあります。

そう思う生徒さんが多い中で、大学の文学部も、優秀な生徒さんに集まってもらいたいと工夫しています。

今回ご紹介するのは大阪大学文学部長の金水敏さんのお言葉です。

まずは、主な部分を抜粋させていただきます。

「文学部の学問が本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったときではないか、と私は考えます」

 「今のこのおめでたい席ではふさわしくない話題かもしれませんが、人生には様々な苦難が必ずやってきます」

 「恋人にふられたとき、仕事に行き詰まったとき、親と意見が合わなかったとき、配偶者と不和になったとき、自分の子供が言うことを聞かなかったとき、親しい人々と死別したとき、長く単調な老後を迎えたとき、自らの死に直面したとき、等々です」

 「その時、文学部で学んだ事柄が、その問題に考える手がかりをきっと与えてくれます。しかも簡単な答えは与えてくれません。ただ、これらの問題を考えている間は、その問題を対象化し、客観的に捉えることができる。それは、その問題から自由でいられる、ということでもあるのです。これは、人間に与えられた究極の自由である、という言い方もできるでしょう」

 「人間が人間として自由であるためには、直面した問題について考え抜くしかない。その考える手がかりを与えてくれるのが、文学部で学ぶさまざまな学問であったというわけです」

全文はこちらです。

これを読んで、どう感じましたか?

人生の岐路に立たされた時に、文学で学んだことが考える手掛かりになる、というお話ですね。

文学はすぐに仕事のスキルに直結しないかもしれませんが、上記のお言葉の通り、自分の人生観の肥やしになり、生き方を深めてくれるのだろうと、私も思います。

一方、結局は就職には不利なのでは、と思う人もいるかもしれません。

就職を考える。文学部は就職に不利?

以下、キャリアコンサルタントとして考えることも含めて書きますね。

私の答えは、

①将来何をしたいのか、による。

②文学部の中で何を学ぶのか。

③「平均的」ではない生き方もある。

 

まずは、②の話ですが、「文学部」と一言で言っても、内容が幅広いので、一概には言えません。

いわゆる「国文学」「英文学」など、文学に触れるものから、「心理学」「比較行動文化」「現代文化」など、狭義の文学とはあまり関係のない学問まで文学部に入ります(文学部で何を学べるか、は大学によって異なります。)

文学部の中でも、自分が関心を持ち、また自分の将来に関係しそうなものを選んで学ぶことが大事だと思います。

次に①将来何をしたいのか、です。

大学の文学部の教授や、学校の国語の先生になりたいのなら、文学部は「有利」です。

でも製薬会社で新薬の研究をしたいのなら、「不利」、いや、選択ミスです。

漠然と大企業に行ければいい、と思っているのなら、「統計的には」文学部より商学部などのほうが採用されやすいかもしれません。

考えてみてほしいのですが、例えば、商社に入りたいなら、大学で国文学を学んでいた人より、マーケティングなど商学部での実践的な学びをしてきた人のほうが、会社に役に立ちそうですよね?そういう人が、商社への就職に「有利」なのは当たり前です。

ただ、学部だけで選抜が有利・不利になるかというと、実はそんなに簡単な問題ではありません。

大企業の場合、学部の前に学歴(大学名)で線引きがあるからです。

これを「学歴社会」と言って批判する人もいますが、会社にとっては、ある程度合理的なことなのです。一般的な会社の仕事では、一定の時間内に正確にタスクをこなすことが求められるので、難関大学の入試を突破したということは、その素質があると判断できるからです。

ただし、大学名とコミュニケーション能力は全くの別問題なので、そこは、会社の側も、コミュニケーション能力がある人を採ろうと工夫しているところですね。

また、「一定時間内に、タスクを正確にこなす能力」は、大学受験で難関大学を突破した人だけが身につけているわけではありません。さらには、言われたことだけするのではなく、クリエイティブな仕事をしていく、という能力は、学歴は関係ありません

そういう意味では、学歴がなくても、また、文学部卒で不利だと言われようと、自分が社会(あるいはその会社)に役立つ能力があると伝えることさえできれば、就職はできるのです。

将来やりたいことに、特定の必要なスキルがないのなら、入口が文学部だからと言って、それだけで大きく不利になるということはないと思います。

むしろ、なぜ文学部を選んだのか、大学でどんな意図をもって何を学び、経験したのか、どんなの能力を伸ばしたのか、といったストーリーのほうが大事になってきます。

入り口だけでその後の人生が決まるということはなく、大学入学後も自分を成長させられたか、という部分も大きいのです。ここが、③の、平均的な生き方をするか、自分で生き方をつくっていくか、の違いを生んでいくと思います。

 

キャリアの考え方のヒントについて、これからもたびたび書いていきたいと思います。

それでは今日は、この辺で!

 

この記事を書いた人:

東大卒 英語講師・キャリアコンサルタント 伊藤智子