【東大生インタビュー②】大学受験で得た2つのもの
おはようございます!学習塾Dear Hope 伊藤智子です。
センター試験まであと半月ばかりとなってきました。
受験生の皆さん、いかがお過ごしですか。
こちらのブログは少し間が空ておしまいましたが、この間にも、たくさんの方が検索を通してブログを読んでくださっていて、嬉しく思います!
さて今日は、東大生インタビュー記事の続きを書いていきます。
(東大 本郷キャンパス 安田講堂)
大学受験で得た2つのもの
インタビュー①では、大学受験直前期の今の勉強のアドバイス(まだ間に合う、ということと、受験当日の過ごし方)について、お話しいただいたことをまとめました。(記事は【東大生インタビュー①】 現役東大生から、受験生へのアドバイス 受験直前期と当日の過ごし方)
インタビューの中で、正籬さんに、私は「大学受験で得たことはありますか?」という質問をしました。
人によって、大学受験に求める意味は様々だと思います。
割り切って「ただ合格のために機械的にやるべきことをやる。それ以上の意味はない。」と考える人もいますよね。人それぞれです。
ただ私は、人生において貴重な若いときの時間を、これほどまでに費やす「大学受験」というイベントを通して、何か受験生が、心の糧につながるものを得られたらいいなと思っているのです。
正籬さんは、少し考えた後、このように答えてくれました。
一つは、受験勉強という機会を通して、いろいろな科目を集中して勉強する機会を得て、このおかげで、いろいろな学問に興味を持って、解く楽しさを知ることができました。これだけ真剣に勉強したからこそわかった勉強の面白さがあると思います。高1、高2のまま(真剣に受験勉強をしないまま)大学に入っていたら、こんなに学ぶということを楽しめなかったかもしれないと思っています。
二つ目は、落ちたことで、謙虚になることを学びました。浪人していなかったら、今とはだいぶ性格が違っていたのではないかと思います。失敗して、自分をあらためて見返して、不十分なところを自覚する、というのは自分にとって大事なことだったと思います。 失敗の経験は、大切ですね。
いま、書き起こしながら、改めて心を打たれて感動しております・・・。
正籬さんは、知り合って間もないですが、とても誠実でまじめで素敵な学生さんです。
そんな正籬さんを創りあげた経験の一つは、おそらく間違いなく、「落ちた」という経験だったのだろうと思いました。
(東大 駒場キャンパス 銀杏並木側から見た1号館)
この良いお話に、私の考えをくっつけるのは恐縮ではあるのですが、私自身が受験について、人生について思うことがあります。
それは 「合格すればサクラサク。失敗すれば根が伸びる。」 というものです。
18年間、大学受験指導をしてきたわけなので、それはもう、様々なことがありました。
また、改めては書きませんが、私自身も、いろいろな失敗、挫折を経験しました。
生徒に教えてもらったこと、そして私自身が学んだことを一言でいうと、 「合格すればサクラサク。失敗すれば根が伸びる。」 です。
私自身も、20代のころは、こんなにかわいい、一生懸命な生徒に失敗させることはあり得ない、絶対にあってはならない、という思いでした。
全力で一緒に頑張ってきた生徒が「あと数点」で東大に落ちた、という経験などしていて、生徒さんがいないところで大泣きしたりしたことも1度や2度ではありません。
それまで頑張ってきたその子の姿を思うと、どうして。。。という気持ちが止まないものでした。
でも、その「あと数点」の生徒さんも、1浪して無事に東大に合格した後、私に「現役の時にダメだったおかげで、初めて謙虚になることを学べました。」って、話してくれたんですね。胸がいっぱいになって、すぐに返す言葉が思いつかなかったことは、言うまでもありません。 今は、社会で立派に活躍されています。
たくさんの受験生が教えてくれたのは、決して失敗の経験はマイナスではない。それどころか、その人を育てる大切な経験にもなり得る、ということです。
そして、「かわいい生徒に失敗させるなんてありえない」とガムシャラだった自分は、未熟だったなあと、心から思うのです。
それでももちろん、今でも全力で、一緒に合格を目指してはいます。合格の喜び、目指した大学で学べる喜びを味あわせてあげたい、その一助になりたい、というのが一番の気持ちです。
でも、「全力を尽くした末の結果を受け止める強さを、この生徒は持っている」ということを信頼して、一人ひとりに接するようになりました。
本当に、教える側が教えられる、とはその通りですね。
今日は、受験について、その結果の受け止め方などを書きました。 いろいろな考え方があると思いますが、正籬さんの言葉に、何かヒントを感じていただけたら嬉しいです。
それでは今日は、この辺で!
この記事を書いた人
学習塾 Dear Hope 代表 英語講師・キャリアコンサルタント 伊藤智子