伊藤 智子


首都圏の大学入試事情 早慶の競争が激化

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 こんばんは!学習塾 Dear Hope 伊藤智子です。

今日の内容は以下の通りです。

1.早慶の競争が激化した理由
2.全国的には、私立大学の4割は定員割れ
3.それでも早慶に合格する方法

大学受験を終えた皆さま、本当にお疲れさまでした。

大学入試の結果も、私大はほぼ出揃いましたね。第一志望に合格できた人、第一志望ではなくても、納得できる進学先に合格できた人、進学すべきか浪人すべきか迷っている人・・・。いろいろな状況だと思います。

(お悩みの方、個別相談も受け付けていますので、お問い合わせください。)

今日は、ここ2,3年の首都圏の大学受験の様子をお届けします。

私が一番の変化として感じているのは、やはり一般受験で早慶に受かるのは、とても難しくなった、ということです。受験生はご存知ですね。 「難しい」というのは、東大や他大学にくらべて、という意味ではなく、以前に比べて、という意味です。  

今年、私の生徒さんで早慶に合格したのは、十分に合格レベルにまでちゃんと力をつけて臨んだ塾生だけでした。

今回早慶にチャレンジして残念ながら合格できなかった塾生も、少し前なら、合格していた可能性は十分にあります。そのくらいの力はありました。

でも、ここ数年、一般受験の早慶は特に競争が激しく、「運が良ければ受かるかも!」くらいでは、残念ながら、ほぼ絶対に受からなくなりました。

そこで、今後の受験生のために、もう少し現状を書いておきたいと思います。

1、早慶の競争が激化した理由は、おもに2つ
①推薦・AO入学者の増大

1つは、大学側が推薦合格者の割合を増やしていることです。   特に早稲田は、入学者の4割以上は推薦・AO枠でとっています。   半数近くが、いわゆる「受験」をせずに入学しているのです!  

大学側の理由は「一般受験だと、合格者が首都圏からの学生に偏りがちなので、推薦・AO方式にすることで全国から学生を集めたい方針だから」ということのようです。

2020年までには、
6割を推薦枠にするというのですから、驚きです。

そうすると、単純な話、「一般受験で」合格するのは枠が減る分、難しくなるわけです。

②私大入学定員充足率厳格化

  もう1つの理由は、2016年度から、「入学定員超過による私立大学等経常費補助金の不交付の基準」が厳しくなったから。     簡単に言うと「定員に対して合格者を多く出しすぎる大学は、助成金カット!」になりました。  

少し前の記事ですが、わかりやすい説明を見つけました。こちらです。

このようなことから、一般受験で早慶に受かるのは、ものすごく難しくなり、そのため、MARCHに流れ込む人が増え、結果的にMARCHも難化している、というのが首都圏の大まかな入試の様子です。

「早慶第一志望、MARCHを滑り止めに」と考える受験生の多くにとって、そう簡単には合格できない厳しい状況が今後も続くと思われます。

2、全国的には、私立大学の4割は定員割れ

  一方で、全国的にみると、私立大学の4割は定員割れで、経営難という・・・。  

選ばなければ大学に入れる時代ですが、しかし「どこでもいいから大学に行く」という人はなかなかいないですよね。  

「どこでもいいから行く」ほど、大学自体に価値があるわけではないと思います。特に、これからの時代は。    

それに関しては、大学のランクに関わらず、一人ひとりが考える意味のあることだと思います。   これからの時代、大事なのは、

「自分はどんな人生を歩みたいか」
「なぜ自分はその大学で学びたいか」

ということを考えて進路選択をすることです。    
そうであってこそ、自分の人生選択(キャリア選択)の一つとしての学歴にも、意味が生まれてくるはずです。    

だって、自分で考えて自分で選ばない「進路」では、誰も責任を持てないですし、そうであってこそ、その環境でどう自分を成長させるかを考えていくことができますよね。    

私はそのプロセスにしっかり付き合いたいですし、その結果「私は大学で学んでみたい」と思う生徒さんを全力で応援したいと考えています。    

話がそれましたが・・・。

3、それでも早慶に合格する方法

では、自分の将来に、早慶で学ぶことが必要だと思っている人が、どうしたら早慶に合格できるのでしょうか。

①実力をつける

当然ながら勉強をして、実力を上げるしかありません。こればかりは、特に、一般受験をするしかない人にとっては、避けて通れません。

②推薦、AOも視野に

それから、もし大学受験までまだ時間があるならば、推薦・AOの可能性を視野に入れて準備することも考えられます。

推薦枠が増大する流れは、早稲田に限らず、国公立も同様なので、今後、中学生、高校生が大学受験を考えるにあたっては、推薦やAOも選択肢に入れて入試を考える、というのは、必要になってくると思います。

③情報を調べ、合格可能性を高めるためにできることをやる

そして、一般受験も多様化しているので、事前にしっかり調べて、有利に進められることがあれば着手することです。

具体的には、TEAPや英検の得点を利用した受験枠も増えていますよね。まだ枠は少ないことが多く、その受験方法がベストだとは言い切れません。

でも、たとえば早稲田大学の文学部・文化構想学部の「4技能テスト利用型」という試験方式の場合、一定の英語の4技能テスト(英検やTEAPなど)で一定のスコア・級を取得していれば、英語の試験はそれで免除で、国語・社会の点数のみで合否が決まります。当日の英語が不安で、国語・社会が得意な受験生には、有利な受験方法ではないでしょうか。

なぜなら、4技能試験は年に何回もチャンスがあるので、前もって準備ができます。本番一発勝負の負担が減るわけです。

それに、大学側の説明で、「英語4技能テストのスコアは加算方式ではありません。提出する試験種別に有利・不利はありません。」とあります。つまり、どれか1つ資格試験で一定のスコア・級があれば良くて、そのうえでスコアがどうであろうと、有利・不利はないのです。とりあえず基準を満たせばよいわけです。(ただし、英検の基準は、1級か準1級を取得していること、ですので、そもそも決して楽な基準ではないですが)

一方、早稲田大学の国際教養学部では、本番の試験とは別に4技能試験を受けてスコアを提出することが必須です。それが、本番の15点分の得点にカウントされます。4技能試験のスコアを提出しない場合、15点分のところは0点です。そして、4技能試験のスコアごとにもらえる点数が決まっています。(英検1級は15点、準1級は10点・・・と。)

シビアですね。

でも、これも事前準備で本番の点数を稼げる、という意味では、合格するための工夫の一つです。

さて、ここまで、競争が激化した早慶に合格するために、という観点で書いてきましたが・・・

最後に

私は焦らせたりするのが好きではありません。

しかし、情報が足りないがゆえに、コツコツ努力する人が、「知らなかった!手遅れだ!もっと早く知っていたら、対策できたのに!」という状態になるのを放置するのは、もっと嫌です。だから、「とりあえず早慶を目指すっていう人は多いけど、甘くないよ!」ということを書きました。

ある程度学力のある受験生の多くは「とりあえず早慶を目指す」という流れになりがちですが、良い大学はたくさんありますし、本当に自分がどこで学びたいか、少し考えてみるのも良いと思います。

そして自分のタイプもよく考えて(多くの科目がバランスよくできるタイプなら、国公立を考えるのも良いですよね)、自分に合う大学や受験スタイルを考えてみましょう。

何かヒントになればうれしいです。
 
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