伊藤 智子


高3秋までオールE判定からの東大文Ⅰ 現役合格

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高3秋までオールE判定からの東大文Ⅰ 現役合格

おはようございます!
全国オンライン/品川区武蔵小山
少人数制 大学受験専門 学習塾 Dear Hope塾長の伊藤智子です。

今日は「高校3年生の秋までずっとE判定」から東大文Ⅰに現役合格した塾生の記録をお届けします!

合格への道のりは山あり谷あり。でも諦めなければ可能性は十分にあります。

 記事の最後に関連動画  があります。また、関連記事に、高3の1年間の勉強で、偏差値42から文科Ⅱ類に合格した塾生の話があります。記事は効果的な勉強法とは 高3から1年で東大合格の夢を叶えた秘訣です。その他の関連記事は記事の最後にご紹介しています。)

この記事の中身はこのような順番で書いていきます。

1.高3の秋までオールE判定からの東大現役合格 スタートは偏差値55
2.『東大理Ⅲ』からのエピソード オールE判定でも問題なし!
3.学校の先生に言われた言葉 「お前は絶対に東大は無理だ」
4.「無理だ」「志望校を変えろ」と言われたときは
5.ついに東大合格!
6.最後に。高3受験生の秋にE判定を取った時は

1.高3の秋までオールE判定からの東大現役合格 スタートは偏差値55

これは当塾の塾生のお話です。彼は高校1年生の終わりくらいから、当塾に通い始めました。

都内の私立中高一貫の男子校で、彼の成績は、「トップではないが、半分よりは上」という感じでした。

悪くはなかったのですが、「コツコツじっくり」勉強してきたというよりは、要領よく毎回のテストを乗り切っていたタイプでした。

つまり、テストが終わると勉強内容を忘れてしまい、あまり実力として残らないので、模試の成績は良くはありませんでした。偏差値でいうと河合塾の全統模試で55くらいでした。

* * *

彼には最初から「東大に行きたい」という気持ちがあり、入塾後、東大に向けた対策を開始しました。

英数それぞれ週1回(高3では2回ずつ)マンツーマンで勉強するほか、私が勧める教材(単語帳、英文解釈のテキスト、長文問題集など)を、着々とこなしていきました。

このように書くと、順調に勉強を進めていったように聞こえると思います。しかし、もともとあまり積み重ねがなかったうえに、なにしろ東大はセンター試験も2次試験も科目数が多いので、いつも「目指すレベルははるか遠く」という感じでした。

模試を受けても、東大は常にE判定。じわじわと力をつけていたので、高3の夏には、MARCHでC判定を取れたことはありますが、それでも国公立はすべてE判定でした。

* * *

そんな状況でしたが、私は「確実に伸び続けているから、可能性はある!ただし問題は、入試までに間に合うかどうか。」と思っていました。

本人は、「自分は東大に行くんだ!」という気持ちが強くて、模試の成績が悪くても、それで落ち込んで勉強のペースが乱れたりするようなことはありませんでした。そこが彼のすごいところであり、合格できた秘訣の一つだったと思います。

彼の勝因の一つは「模試が悪かろうと、周りがどう言おうと、とにかく着々と勉強を進めていた。」というところです。

書くと平凡に見えるかもしれないけれど、実際はすごいことです。

* * *

ちなみに私(文Ⅲ⇒教育学部卒業)は、受験生時代、模試の出来に一喜一憂しました。

私の場合は、典型的な「亀タイプ」。

中学生の時から地道にコツコツやってきた貯金で、高3の夏までは模試の成績が良かったんですね。

でも、高3になると周囲も本気になってくるわけで、スピード感のある受験生(とくに部活をやってきた男子たち)がどんどん伸び、私も頑張ってはいるものの、秋以降、模試の成績が下がりました。

これはこれでつらいもので、「このままどんどん追い抜かれたらどうしよう」という気持ちで焦りました。

実は、他人のスピードは、自分の合否には関係ありません。本当は、受験は他人との競争ではなく、「自分が志望大学合格レベルの学力を身に付けたか」という点だけが大事なので、他人のスピードは関係なく合格できるんです。

でも、模試が返却されてAとかBとか、DとかEとか、結果を見せられると、焦りますよね。

* * *

話がそれましたが、とにかく彼は、東大の判定は見事にオールEでも、めげなかったわけです。

ここは受験生みんなにヒントになることだと思うのですが、模試は模試。本番の結果ではないのです。本番でうまくいけばよいので、模試はそのために活用すればよいだけなのです。

2.『東大理Ⅲ』からのエピソード オールE判定でも問題なし!

ところで、私が受験生のとき、励みによく読んでいた本の一冊が、『東大理Ⅲ』です。

毎年出版されている本ですが、理Ⅲ(医学部コース)に合格した人たちの合格体験記です。理Ⅲと言えば、東大の中でも最難関で、1学年3,000人以上いる中で、たったの100名ほどしか合格できない狭き門です。

(もちろん頭の良い人が全員医学部を目指すわけではないので、他の学部にも天才は遍在していますが。)

その本の中で、私が今でも覚えている合格エピソードがあります。

それは、ある理Ⅲ合格者の「模試は高3冬まで、すべてE判定だったが、受験当日までにやるべきことは自分で見えていたので、判定は全く気にしていなかった。」という内容のものでした。

その人には、合格に必要なレベルと、自分がクリアすべきことが、ちゃんと見えていたのです。だから、その勉強が終わっていない状態で模試を受けてE判定でも、当然のことだから気にしなかった、というわけです。

私は、同年代の人がそんなしっかりした考えやプランをもって受験に臨んだことに本当にびっくりし、すごい人もいるものだと思ったのをよく覚えています。

いま、本記事を読んでくださっている人は、自分に当てはめて考えてみて、どうでしょうか。自分が合格のためにクリアすべきことが、各科目、見えているでしょうか。

こうした冷静な視点こそ、長い受験勉強を乗り切る秘訣の一つだと思います。

3.学校の先生に言われた言葉 「お前は絶対に東大は無理だ」

話を戻して、さきほどの塾生さんのことですが、夏の模試もE判定で、学校の先生に呼び出されました。

何を言われたかというと・・・「私は長く受験生を見ているが、君の実力では、絶対に東大には受からないから、志望校を変えなさい。」と言われたのです。

私は、その生徒さんの一生懸命な努力と、目標に向けてまっすぐな気持ちを知っていたので、先生の言葉は残念なものに思いました。

せっかく頑張っていても、こんなこと言われたら自信が揺らいで、悲しくなってしまう人も多いはず。

先生としては、良かれと思ってのことかもしれませんが、言われた子の気持ちを考えると、胸が痛みます。

4.「無理だ」「志望校を変えろ」などと言われたときは

ただ、こういう言葉も、場合によってはありがたいものであることもあります。

自分の気持ちを改めて確認するチャンスになります。

自分が本当に東大にチャレンジしたいのか、それとも、無理せず、確実に現役で合格できそうなところに行きたいのか、自分がどう考えているのかが大事になってきます

実力が程遠いのに無謀なチャンレンジをするより、確実に手が届きそうなところの中から行きたい大学を選ぶというのも、一つの選択肢です。

各大学、個性や魅力がいろいろと違うので、調べてみると、意外に自分に合う大学・学部が見つかるケースがあります。

「とりあえず有名な大学に行きたい」と思って漠然と勉強していた人にとっては、こうした他人の言葉は、冷静に自分の実力を見つめて、自分の将来を考えるきっかけになります。

別の道にするか、それとも前進するか。

考えるきっかけを与えられることで、より自分の気持ちが強くなることは確かです

* * *

この時、最後は自分で決めることが大事です。

いろいろな人がアドバイスをくれるでしょう。それを参考にしつつも、「誰かがこう言ったから」ではなく「自分がこう考えるから」という気持ちで決めることです。

結果を受け取るのは自分なのですから。

結果を受け取った後に何か不都合があって人のせいにしても、事実は変わらないのです。

この塾生の場合は、「あきらめずに東大受験したい」という気持ちが最初から固まっていました。だから先生に反対されても、「迷うことなくそのまま前進!」という結論でした。

チャレンジしている最中は、先生とか周りの人に「無理だ」なんて言われると、余計に不安になったりするかもしれません。応援してほしい人にそういわれると、悲しい気持ちにさえ、なるかもしれません。

ただ、例えば学校や一般的な予備校などの場合は、「東大を無理して受験するより、1科目減らして一橋や東工大に変更させたほうが、合格者数を稼げる可能性が高まる」という計算から、本人の思いを無視してアドバイスする場合も少なくありません。

ですので、あくまで自分の人生を大事にする視点と、冷静な目で、そうした話を聴いてほしいものだと思います。

5.ついに、東大合格!

さて、その後の話ですが、秋の模試で、相変わらず東大E判定ばかりの中、1つだけ、D判定が出た模試がありました。

嬉しかったですね。手ごたえを感じました。

その後、見事、東京大学文科Ⅰ類に合格。

勝因は、模試の成績が悪くても、学校の先生に「絶対に無理」と言われても、とにかくやるべきことを最後の一瞬までやり続けたこと。あきらめなかったこと。あとは、勉強できることに感謝の気持ちを忘れていなかったこと。

いつもそうですが、私はこの生徒さんからも、多くのことを教えてもらいました。一緒に感動も、味わわせてもらいました。

この文章を読んでくださっているみなさんは、いろいろな状況に置かれていることと思います。

受験に向けて、不安な気持ちを抱えている人もあるかと思います。

しかし、確定した未来はありません。

今日の一日が、未来をつくっていきます。

だから、今日の一日を、大切に過ごしてほしいと思います。

6.最後に。秋にE判定を取った時は

受験生にとっては、今(9月~11月)が一番、模試も忙しい時期。

模試を受けるのも時間とエネルギーを使いますが、復習もそれなりに時間がかかりますし、さらに結果が返ってくると、それをどう受け止めたらよいか悩む人も少なくないと思います。

夏までは「これから頑張ればなんとかなる!」と思えていたとしても、さすがに秋の模試の結果が悪いと、どうしたものかと考えてしまうと思います。
(実際、当塾のブログにも「模試 高3秋 E判定」というキーワードでお越しくださる方も多いです。)

受験生の秋にE判定をとった場合、2パターンの受験生がいると思います。

1.今まで偏差値の高いところをとりあえず目指してきたが、E判定ばかりなので、志望校のレベルを下げようかと考えている。

2.第一志望校は決まっており、最後まであきらめるつもりはないが、不安になる。

まず1.について多いケースが、
「漠然と国公立を目指していて、センター(現共通テスト)用に幅広く科目を勉強していたが、国公立に届くレベルにまで至らない」というものです。

もしその大学に行きたい理由がそこまで明確でなく、かつ、現役で合格したいということであれば、私大に切り替えて科目を絞り、その限られた科目に全力投球して伸ばしたほうが得策です。

なぜなら、科目数が多いのに、今の段階でどれも中途半端だと、これから全部の科目を国公立基準にまで伸ばしていくのには時間があまりに限られていますし、力が分散してしまい、結局どれも伸び切らない可能性が高いからです。

その場合、国公立は難しいうえに、中途半端な実力で受験しても、私大入試も危ぶまれるからです。

※高1、高2生のために書きますが、この判断は、本当はもっと早くするものです。国公立タイプかどうかの向き不向きは高3になる前に考えたいですし、私立に切り替える判断は、遅くても夏にはすべきです。

* * *

そして次に、2.のケース

あきらめるつもりはないけれど、どこまで行けるのか、不安をかかえているケースです。私のブログに来てくださる方の多くはこちらだと思います。

これはもう「合格するために、いかに必要な部分から攻めていくか」という発想で、時間を効率よく使っていくことが大事です。

例えば、国公立第一志望なのに、共通テストで受験する科目に手を付けられていない場合、早急に見ておかないといけません。

(いきなりじっくりやるというより、まず概要を頭の中に入れるイメージです。記憶する前段階として、入れ物を用意するイメージです。)

あるいは、必ず二次試験で出題されるのにあまり取り組めていない分野があったら、後回しにせずに、真っ先にそこから攻略しないといけないですよね。

ただ、そうした分野(あるいは科目)が、本当に苦手で、どうしようもない場合は、他でカバーする方法もあります。例えば、東大文Ⅲなら、二次試験の数学が得点源にはできなくても、他の科目がしっかりしていれば、十分カバーできます。

ある分野や科目をあきらめるかどうかは、克服にどのくらいの時間がかかるかを見極めて考えましょう。

あとは、坦々と、着々と、やり続けることです。そうする限り、合格可能性は着実に高まります。

今日ご紹介したのは、まさに着々と頑張って合格した素晴らしい例でした。

最後まで、自分なりに納得できる挑戦をしていきましょう。応援しています!

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それでは今日は、この辺で!

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