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ヤマをはることについて考える

Posted by 伊藤 智子 on
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ヤマをはることについて考える

おはようございます!学習塾Dear Hope代表 伊藤智子です。

今日もブログにお越しくださり、ありがとうございます。

今日はヤマをはることについて、書いてみたいと思います。

ヤマをはる=あてずっぽうな勉強、だと思っていた

昔は私は、「ヤマをはる」という考え方が好きではありませんでした。

テストの時だけその場しのぎをする、というイメージがあって、ちゃんとした勉強ではないように思えたのです。

私は、テスト範囲と言われたものに関しては、初めから終わりまで満遍なくやらないと、気が済まないタチでした。

でも、社会人になり、その考え方がちょっと変わりました。

今日はそんな話です。

考えが変わったのは、

・勉強を教える立場になって分かったこと

・大人になって資格試験の受験生として学んだこと

の2つが大きく影響しています。

教える立場になって分かったこと:「ここがポイント」と考えながら勉強することは大事。

私のマンツーマンレッスンの中では、生徒さんの中間試験や定期試験前に、一緒に範囲を復習し、「ここが絶対に大事だから覚えておくように。」という指摘をします。

そうすると、試験後に生徒さんから、「先生が大事って言ってたところが、たくさん出ました!」と言われることが多いのですが、それはある意味、当たり前のことです。

これまでの経験で、「この範囲の中で、大事そうなところはコレだ。」とか、「この表現は入試にも良く出題されているから、学校の試験でも出やすいだろう。」ということが分かるからです。

そして、これは私だけがわかることではなくて、自分でもある程度わかるはずのことなのです。

例えば英語なら「この章で新しく出てきた文法」とか、「ピックアップされている熟語表現」などは、まず押えるべき内容です。

それから学校の授業中に、先生が大事だとおっしゃった部分や、しっかり解説があったところも、基本的には大事な内容であるはずです。

そうやって、日頃から「ここを身につけるべきだ」ということにアンテナを張っておくことは、ただ受け身で授業を聞いているより記憶にも残りやすいですし、良いものだと思います。

試験勉強もその延長で、範囲全体を漫然と勉強するよりは、「今回の試験では、少なくてもここはしっかり身につけよう」と思ってメリハリをつけて勉強したほうが、効果的だなと思います。

その上で、満点を狙うレベルにある人は、舐め回すように(笑)全体を勉強したらよいと思います。

結局、ヤマをはる、というのは「傾向を知って、対策をとる」ということだなと、今は思っています。

「大人の受験生」になって学んだこと

私が大人になって受けた試験の中で、一番大変だったのは社会保険労務士の試験でした。国家試験にも色々なものがありますが、社労士は、私の年度は合格率5%ほどのなかなか難しい試験で、私は仕事をしながら、約1年半かけて、平日5時間、休日8時間くらいの勉強をして合格しました。

その受験生生活でお世話になった講師の先生の教え方が、私に大きな影響を与えてくれました。

その教え方とは「出題されそうなところだけを徹底的に押さえておく」というものでした。

社労士の試験範囲は、関連する40ほどの法律(メインは、労働基準法など10ほどで、その他が30ほど)が試験範囲で、丁寧に勉強したら、もうとんでもなく大変。というより、分厚い辞書のような法律書を何十冊も暗記するなんて、絶対に無理なんですね。

それで、出るところを意識して強弱をつけて勉強することの大事さを繰り返し教えてくださいました。

でも、実務では、全部、必要になるかもしれない知識です。

それなのに、なぜ、「試験に直結するところだけの勉強」でいいのか。

それは、

「合格してからも勉強は続くし、むしろ、合格してからが本当の勉強のスタート。だから、まずは合格してスタート地点に立たないと話にならない。仕事をやりながら合格を目指すなら、徹底的に無駄を省いて、合格するために必要なことを、効率よく勉強するべきだ。」

ということなのです。

もう、本当に納得ですよね。

中間試験や定期試験、そして高校受験や大学受験も、結局、通過点の一つであり、勉強は一生続くもの。

そう考えたら、目の前の試験は、効率よく突破しても良いのですよね。

だって、それで終わりじゃなくて、ずっとやるものなのだから。

私が社労士受験で得ることができた最大の学びの一つは、この先生の考え方と教えだったといっても過言ではありません。

最後に

最後に確認したいことですが、大学受験の教材は、「すでに選び抜かれた情報」でできています。

どういうことかというと、英語の辞書は分厚いですよね。でも、受験用のの単語帳に載っているのはわずかな単語数です。つまり、すでに「ヤマがはられている」のです。表現がおかしいかもしれませんが。

だから、受験教材は、基礎情報なんです。

多いと思うかもしれませんが、それでも選び抜かれたものなので、どの教科も、そう思って全体をしっかりやることをお勧めしたいと思います。

ヤマをはる、というのが意外に奥深く感じられたのではないでしょうか。

今日の話が参考になったら嬉しいです。

それでは今日は、このへんで!

この記事を書いた人:

学習塾Dear Hope代表 伊藤智子