小論文・自己推薦文の書き方② 自分の内側を掘り下げる
おはようございます!学習塾Dear Hope代表 伊藤智子です。
今日もブログにお越しくださり、ありがとうございます。
日曜日の朝ですが、今日も熱く小論文・自己推薦文をテーマに書いていきたいと思います!
今日はシリーズ2回目です。
「自分の考えを述べる」は、誰もが直面する課題
小論文、と書くと「自分には関係ない」と思う方もいるかもしれませんが、小論文、自己推薦文や面接で、「自分の考えを述べる」「自分のことを人に伝える」という課題は、その後の就職活動などで誰でも直面することになる問題です。
ぜひ、自分にも関係のある話だと思って読んでいただけたら嬉しいです。
前回の「小論文・自己推薦文の書き方①」では、「正しい答えのない世界。だから、自分の外側に正解があるのではなく、自分の内側にあるものが答えになる」ということを書きました。
その記事を読んでくださった方から「私は小論文の勉強で、最初なにも書けなくて、そのことで『自分がいかに、選択肢や正解が与えられている問題に慣れてしまっていたか』に気が付きました」というご感想を寄せてくださった方がいらっしゃいました。
本当にその通りです。
私は、社会に出てからそのことに気が付いたので、受験生の時にそんなことを考えていて、すごいなあと思いました。
今日は、話を一歩進めて、「自分の内側を掘り下げる」という内容で書いていきたいと思います。
「評価されそうだから書いておく」を超えていこう
今年の春、大学生になられた生徒さんの、自己推薦文の指導をした時のことです。
最初にその生徒さんが書いてきた文章を見た時、少し「ちぐはぐ」な印象を受けました。
「ちぐはぐ」というのは、文脈がちぐはぐ、というのもありましたが、むしろ、ところどころ、内容が本人に似合わない、本人らしくないように感じました。
高校生活では、運動部の部活動に全力を捧げてきた生徒さん。試合や練習で、平日はもちろん土日もほとんど休みがありませんでした。
その部活では、当然楽しいことばかりではなかったのですが、大変なことを乗り越えることをやりがいにも感じているようでした。そこで得た学びはかけがえのないもので、当然、その内容が中心になると予想していました。
それなのに、あれれ・・・?なんだか、「生物は頑張りました」とか書いているよ?生物を頑張っていたって、私、知らなかったんですけどー!
ちなみに、志望する学部はそもそも理系でもなくて、生物は全く関係ない。
そこで私は、「生物を頑張っていたって、そうだったっけ?どうしてこれを書いたの?」と聞いてみました。
そうしたら、「勉強は全然やってなかったけど、その中で唯一まあまあマシな点数が取れたのは生物だし、1個くらい、勉強のことも書いておいたほうが評価してもらえるかな、と思って。学校の先生も何か書いとけって言ってたし。」と言うのです。
この、「書いておいた方が評価されるかなー。」という表面的な理由で書いたものは、残念ながら読み手には伝わらないです。
なぜなら、気持ちがこもらず、自分の言葉になっていないから。私はそういう文章を読むと、「なんか、この部分、もやがかかっているぞ・・・。」という感覚になります。
もちろん、何か自分なりに思いをもって生物の勉強に取り組んできたのなら、たとえ成績が目覚ましくなくても、それはきちんと書いたら良いと思います。
でも、「評価してもらえるかもしれないから、とりあえず書いておこう」くらいの表面的なノリは、やめたほうがいいです。
この内容は書く?書かない?
自己推薦文の話が続きますが、「実績はあるけれど、そんなに深く書ける思いがないかもしれない」という場合もありますよね。そういう実績は書かないほうがいいのか、という疑問があるかもしれません。
それは、きちんと向き合ってみたらよいと思うのです。「まだ、自分でも顕在化できていない思い」があるかもしれません。
実績があるなら、やはり書いたほうがいいです。そして、どうしてその分野を頑張ってみたのか。その実績を手にするまでに、どんなドラマがあって、どんなことを感じて、何を学んだのか。
ゆっくり振り返って、考えてみると良いと思います。
小論文・自己推薦文の指導の中では、書き方だけではなくて、このようなサポートをしています。
出来事や成果を書くだけでなく、そこに至ったプロセスを丁寧に組み上げる中で、どんどん、オリジナルな内容になっていきます。
光る内容とは
想像してみてほしいのですが、大量の「自己推薦文」を読む大学の教官たちの心に届くのは、どんな文章でしょうか。
だいたいみんな、「高校では○○を頑張りました。大学では教養を深め、社会に通用する人材となるようしっかりと学んでいきたいです。」というような内容を書くんですよ。「どの人も、似たような感じだなー。」と感じるのではないでしょうか。
その中で光るのは「明らかに素晴らしい実績」または「その人オリジナルの体験や学びがしっかりと書かれている内容」です。
結局、例の生物の話ですが、その生徒さんに、私はこういいました。
「自分でここは書きたいと思うなら、書いたら良いと思うよ。生物の話は、自分が行きたい大学の先生に伝えたい内容?」と聞いてみました。
そうしたら、「自分でも、とりあえず書いておいたって感じだから、なんか違和感あるっていうか。いらない気がします。」ということでした。
そこで、生物の話はいったん保留にして、その他の部分を掘り下げていくことで、十分、人柄や思いが伝わる内容になりました。
そこで、自信をもって、生物の話はカットする流れになりました。
小論文、自己推薦文は、読む相手が存在するので、相手に伝わるように考えて書く必要があります。
ただ、大事なのは、「これを書いておけばウケが良くなるかなー」という表面的な視点ではなく、自分の内側になるものをしっかりと掘り下げて、言葉にしていくことです。
それが、光る文章につながります。
今日は、ここまでにします。
明日は、月曜日恒例の「本日の英文」をご紹介しますが、また次の水曜日に、続きを書きたいと思います。
それでは、また!
この記事を書いた人:
学習塾Dear Hope代表 英語講師・キャリアコンサルタント 伊藤智子