伊藤 大幸


2021 共通テストレビュー(数学) 試行調査ほど思考力は要求されず手探りな出題

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こんにちは。
東大・京大合格クオリティ
大学受験専門 学習塾Dear Hope数学・物理担当の伊藤です。

共通テスト1回目の所感を書きたいと思います。

特徴:易化と問題文の長文化

まず、数学は、ⅠA、ⅡBとも、近年のセンター試験と比較し、易化しました。

試行調査の問題は難易度が高く、思考力と、数学に対する本質的で正確な理解が要求されるもので、今回の大学入試改革に期待を感じていましたが、その期待は裏切られた形になりました。

形式については、昨年までのセンター試験と比べ、問題文が長文化しました。このことは、試行調査からも予測されていました。

問題文が長文化したことにより、誘導が丁寧になり、概ね解きやすくなったと思います。

出題内容については、かなり手探りの状態で作問したのだろうな、と思える問題が多くありました。マーク式の問題は、誘導の付け方によって平均点にかなりの差が生じます。どこまで誘導を付けるかを迷った末に、丁寧になりすぎたのでしょう。また、パターン問題を回避しようとするあまり、浅い出題になってしまったようにも思います。

例えば、数学ⅠA第2問〔1〕〔2〕などは、問題の意味さえ把握できればきわめて容易で、小・中学生向けの問題に思えるほどでした。数学ⅡB第2問(微積)も浅すぎる出題でした。また、数学ⅡBの第5問(ベクトル)も、途中式の誘導をつけすぎてしまい、答えがほとんど誘導の中に示されているような設問もありました。

昨年、一昨年あたりの問題の方が、よほど計算力、思考力、判断力が要求される良問でした。特に、昨年の追試などは、センター試験としては難易度が高いですが、入試問題としては非常によくできた問題であり、解きながら感動さえしたものでした。

来年以降は、ぜひ、本当の思考力を問う問題にシフトしていくことを期待します。

ただ、共通テストは、今年が初めてのため、このような試行錯誤も仕方がないかなと思います。平均点が低すぎて批判されることを懸念し、及び腰の出題になったのだと思います。

来年度以降に向けた学習のアドバイス

今年の共通テストに対して苦言を呈しましたが、中には、よく考えて作成したな、と感じる問題もありました(例えば、数学ⅠA第1問〔2〕では複数の三角形の外接円の半径の大小を比較し、数学ⅡB第1問ではcosでの合成を要求し合成の基礎理解を問うた)。おそらく今後は、そのような出題が続くことと思われます。

そのような問題に的確に対応するためにも、日ごろから、公式やパターン問題の丸暗記ではなく、なぜそのような公式が得られるのかについて丁寧に学習を進めていくことがますます大切になると思います。

当塾では、普段から基礎理解を大切にして指導していることもあり、塾生から報告していただく自己採点の結果は、概ね90点以上で、100点の塾生もおりました。その調子で、ぜひ私大そして国立の試験に臨んでいただきたいと思います。

当塾は、受験生の皆さんの成功を祈念しています。あと少しです。最後まで駆け抜けましょう!

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