伊藤 智子


【私の東大合格体験記①】完璧な対策はできないが、合格点を取る対策はできる

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【私の東大合格体験記①】完璧な対策はできないが、合格点を取る対策はできる

おはようございます。全国オンライン/品川区武蔵小山
学習塾Dear Hope塾長の伊藤智子です。

大学受験が近づき、最近生徒さんに「先生の受験の時は、どうでしたか?」と、私の経験談を聞かれることが多くなりました。

photo by Hiroyuki

普段、私は自分の時はどうだった、という話は自分からはしません。こちらのブログでも、自分の体験にはあまり触れていません。

というのも、当時の私自身の勉強の仕方・受験の乗り越え方は、必ずしもベストではなく、むしろ「よくまあ、あのやり方で突破したなあ」と感心してしまうくらい、不器用だったからです。

だからブログでは、受験生の役に立つように、効果的な勉強法や具体的に役に立つ情報を書こうと思っています。

このブログでご紹介している勉強法のベースは、私が仕事で大学受験指導をする中で「これは効果的!この方法で伸びる子が多い!」と経験から学んだことと、あとは、私自身が社会人になって仕事をしながら国家試験の勉強をする中で得たことです。(繰り返し勉強して記憶を定着させるなどの、基本的なところは、昔から実践していたことですが)

でも一方で、そういう理想論を聞くより、生身の人間の話のほうが引き付けられたり、自分も頑張ろうとやる気になったりするものですよね。

私自身も、「一般論」より「誰かの具体的な話」のほうが、魅力的で知りたくなります。(以前も書きましたが、受験生当時の私の愛読書は『私の東大合格大作戦』と『東大理Ⅲ』で、両方、合格体験記でした。たとえ事情が違って参考にならなくても、やる気をもらっていました。)

そんなこともあり、私自身の受験を数回に分けて、振り返ってみようと思います。

今日のテーマは、タイトルのとおり「完璧な対策はできないが、合格点を取る対策はできる。」というお話です。

体当たりな大学受験

私の受験を振り返って、その特徴を一言でいうと、まさに「体当たり」でした。

先ほども「不器用だった」と書きましたが、効率の良い勉強・効果的な受験対策ということを、ほとんど考えたこともありませんでした。(←マネしないほうがいいです)

私は今でこそ「限られた時間の中で、一番効果が出るように、よく考えて勉強することが大事」と強調しています。

学校も部活もあるという忙しい生活の中で、どうやって受験までに、志望校のレベルに自分を近づけるかを考えたときに、「効率」は避けて通れない課題です。

ところが、高校生当時の私は「効率とか考えるのは、あんまり良いことではないのでは」と思っていました。

「試験に出るところを勉強する」のではなく、「教科書に載っていることはすべて勉強する」ほうがいいと思っていました。

試験に出るところだけ部分的に勉強する、というのは、なんだか手抜きでズルいことをしているような感覚だったのだろうと思います。

その結果、たとえば世界史などでは、「世界史頑張るぞ!」と思い立つと毎回、教科書の最初から読み始めるので、古代史だけやたら詳しいというような、まあ、入試的にはあまり意味のないことも、けっこうやっていたのです。(古代史が重点的に出題されることって、ほぼないですからね。)

英語に関しては、中学生の時から「最初から最後まで丁寧に勉強する」ということを積み重ねていたので、その努力に大いに助けられたことは確かです。英語を武器に合格できたといっても過言ではありません。

ただし、対策すべき科目数が多い割には英語の勉強に時間をかけすぎて、他の科目はあまり余裕がない状態でした。

世界史などは、上記の通り、前半は得意だが後半は手薄、という状態が続き、なんと西暦1900年以降は、センター前わずか数日で詰め込んだというありさまです。第二次世界大戦以降は時間切れで、手を付けられずにセンター当日を迎えてしまいました。

私はセンターの理科科目は、生物を選択しました。高校1年生の時、生物が得意だったからです。生物学者もいいな、と思ったくらい大好きでした。

ところが、高校で学んだ範囲は「生物Ⅰ」だけだったのですが、当時のセンター試験は今と違って理系も文系も共通の問題だったので(私は文系です)、試験範囲は「生物ⅠB」だったのです。つまり生物Bは、触れたことがなく、自分で勉強しなくてはいけなかったのです。そのことに気づいたのが、センター2か月くらい前でした。(ちょうど今頃です)。気が付いたときは衝撃で、「なぜ今まで、自分はそのことに気が付かなかったのだろう」と、信じられない気持ちでいっぱいでした。

「生物は得意だから直前にちょっと対策すれば大丈夫」と、きっと慢心していたんですね。そして、模試でも、おそらくⅠの範囲のほうが多く出題されていたこともあって、Bの範囲が出題されても、「忘れている範囲が出ちゃったのかな」と、深く考えなかったのだと思います。なんてこと・・・。

それに気づいて、「大変!生物やらなきゃ!」とは思うものの、二次試験の科目もセンター試験の科目も多いし、まだどれも仕上がってない、という状態。

センター試験でしか使わない生物Bをやるくらいなら、センターでも二次でも使う世界史をやったほうがいいのでは、とか、独学で勉強している二次用の地理をなんとかしたほうがいいのでは、とか悩みながら、結局、二次対策を優先する日々でした。客観的には、だいぶピンチだったと思います。

でもそんなときに、いつも思っていたことがあります。その考え方が、受験成功のカギの一つだったと思っています。

完璧な対策はできなくても、合格点を取ることはできる

それは、「完璧な対策なんて絶対にできない。でも、合格には満点は必要ない。」ということ。

さらに「大事なのは、①自分が知っている範囲については絶対に点を取れるようにすること、②当日までに、知らない範囲をできるだけ少なくしてくことだ!」ということです。

すべての範囲を網羅して、完璧な状態で受験をする受験生なんて、いるわけがありません。

大学側も、そういう受験生を想定していません。大学によりますが、6割から7割得点すれば合格できることろが多いのです。

東大に関しては、できればセンター試験は全体で9割欲しいですが、二次試験については、科類・年度によっては6割弱で良いのです。

そう考えると、まずは、自分が知っていることを、確実に得点に結びつけることが大切です。中途半端な知識だと、点数になりません。あわてて、いい加減な理解でやっつけようとしても、本番で役に立たない知識になってしまいます。だから、今、目の前にある問題を、しっかりとモノにすることが大事。

そして次に、知らないことを少なくしていくことが大切になります。

こんな風に考えていたので、私は、知らないこと、終わっていないことがたくさんあっても、精神的に滅入ったりパニックになることなく(多少パニックになっても、すぐに落ち着きを取り戻して)、「勉強を積み重ねれば、1点ずつ取れる可能性が高まっていくんだ」と思って頑張れたことが、良かったのではないかなと思っています。

じわじわと、まずは6割5分正答に近づけていこう

センター試験まで、あと2か月で、まだ終わっていない範囲に途方に暮れる場面もあるかもしれません。でも、合格に満点は必要ありません。自分の今の知識でも、何割かは取れるのです。あとは、それを、まずは6割に高める。次に6割5分に高める。そうやって、じわじわと合格点に近づけていけばいいのです

(ついでに補足で、難関国立受験生へ。センター試験前は、侮らずにセンター対策をやって、時間内に確実に解き切る感覚を思い出しておきましょう。)

次回も、私の受験記をお届けしたいと思います。

それでは今日は、この辺で!

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この記事を書いた人:

学習塾Dear Hope代表 東大卒英語講師・キャリアコンサルタント 伊藤智子