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最新入試問題レビュー 2019年 一橋大学 数学(第3問)

Posted by 伊藤 大幸 on
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こんにちは、Dear Hope数学担当の伊藤です。

今年の入試問題を紹介するシリーズですが、今回は一橋大学の問題を取り上げます。

テーマは、微分・積分です。

今年のセンター試験もそうでしたが、微分・積分の問題を限られた時間内に解き切るには、いかにして煩雑な計算を回避するか、ということが大切です。特に積分(面積計算など)の問題は、放っておくとすぐに計算が煩雑になってしまいます。

では、効率的な計算処理を行う上でのポイントは何かというと、それはずばり、

「因数分解」

そして

「解と係数の関係」

です。(これらは、本質的には同義です!)

 前置きはこれくらいにして、さっそく問題を見てみましょう。

 解答案は、<こちら>です。

 この問題の概略図は、次の通りです。

 まず(1)の問題です。この問題で問われていることは、要するに、図のr(x座標)を求めよ、というものです。

 最初の段階で分かっている情報は、点Pにおける曲線Cの接線とx軸との交点が点Qであるということ、そして、曲線Cがx軸とx=-2で交差しx=1で接するということです。

 さて、曲線Cの接線は、接点のx座標をtとすると、

  y=f´(t)(x-t)+f(t) ……①

 と表されますね。

 この接線が点Q(αを用いて表されるが、ここではx座標をqとしておく。もちろんy座標は0)を通過するから、

0=f´(t)(q-t)+f(t) ……②

 となります。

 このtについての方程式(3次方程式)の解が、点Qを通過する接線と曲線Cとの接点のx座標ということになります。

 ところで、曲線Cの概形から、点Qを通過する接線と曲線Cとの接点のx座標には、明らかに、

  x=1,α

の2つが含まれます(ここがポイント!)。

 本問では、②式を具体的に計算すると、tの一次の項が含まれません(実際は、式②ではなく式①を計算したときにこのことに気が付きます!)。この事実を利用すれば、解と係数の関係を利用することにより、Qの座標を具体的に計算することなく残りの解であるrを直ちに求めることができます。解答案では点Qの座標を(u, 0)と設定して、uを直接求めずに処理しました。

 次に、(2)を見てみましょう。本問は、面積を計算させる問題です。

 このような積分計算は、とりわけ文系の入試問題で頻出ですので、ぜひマスターしましょう。

 特に、今回のように、積分区間の両端が曲線と直線の共有点になっている場合は、いわゆる面積公式を利用することにより具体的な積分計算を省略することができます。

 本問の被積分関数は、「(直線の式)-(曲線Cの式)」であり、これは、曲線Cの式の最高次の項( t)の係数が1であることと、共有点の座標から、「-(x-r)(x-s)」という形に因数分解されることが分かります(ここがポイント!)。ここで、sは題意の接線と曲線Cとの共有点のうち、x=rとは異なる方を指します。詳細は、解答案を参考にしてみてください。

 本問は、三次関数と直線とで囲まれる面積ですので、いわゆる「12分の1公式」を利用して「計算したフリ」をすればよいでしょう。すなわち、

ですから、本問ではγ→αとして、以下の式を利用すると良いでしょう。

 いかがでしたでしょうか。このように、
 「因数分解」と「解と係数の関係」を利用することにより、煩雑な計算を行うことなく、すっきりと処理することができます。 特に、センター試験ではスピードが要求されるので、高得点を目指す皆さんは、ぜひこのような計算処理をマスターすると良いと思います。

 この記事が何らかの参考になれば嬉しいです。

 それでは今回はこのへんで。