こんにちは。学習塾Dear Hope 代表の伊藤智子です。
今日は、「合格すれば幸せ?」と題して、人生という長い視点から見た受験について、書きたいと思います。
大学合格すれば、幸せになれる?
志望校合格を目指す受験生にとって、「合格」は幸せの象徴のように思えるかもしれません。
私自身、塾生の大学受験での成功を心から応援しています。
ひとりひとりが志望校に合格し、社会の中で自分を生かして活躍できるよう、大学でも学びを深めていってほしいと願っています。
では、志望校に合格すれば、その後はずっと幸せなのでしょうか。
合格に向けて必死になっている受験生なら、「当たり前だ!〇〇大学への合格さえ手に入れることができたら、パラダイスだ!人生は幸せなものになるはず!」と思うかもしれません。
もちろん、合格それ自体はとても嬉しいことです。
自分が進みたい道を、自分で切り開いて、新しいステージに立てるのですから、それはそれは、嬉しいですよね!!
その喜びを夢見ればこそ、受験勉強にもいっそう力が入ると思います。
「やったー!!」と合格を喜んでいる自分を想像して、その喜びの感覚を日々のエネルギーにして頑張ってほしいと思います。
受験生の「いま」も、幸せな時間
でも、もう一つ、忘れないで欲しい視点があります。
それは、受験にチャレンジしているという「いま」も、とてもとても幸せで、人生の中では輝いている時間だということです。
世間一般に「つらい受験勉強を乗り越えたら合格が手に入る」と、思われがちかもしれません。
でも「受験勉強=つらい」という世間の思い込みを、必ずしも受け入れる必要はないと、私は思うのです。
自分の目標に向かって一生懸命努力できる時間は、やはり輝いているものです。しかも、大学受験の場合、多くは周りにも応援されますよね。ありがたいことです。
合格後も幸せな大学生活を送るには、秘訣があると思います。それは、どんなときも、「プロセスも楽しむ(味わう)気持ち」「プロセスにも感謝する気持ち」「結果を手にしていない“いま”のことも大切にする気持ち」を持っているかどうかということです。
別の言い方をすれば、「どんな「いま」も、大切に過ごそう」と思って、「いま」の中に幸せや感謝できる点を見つけられる人は、その後も、そうした日々を過ごせます。
大学受験には合否がつきものですが、いまを大切にする気持ちがある人は、たとえ第一志望に合格できなかったとしても、縁あって入学した大学生活の中で、充実した大学生活が送れます。
結果が手に入らないと幸せじゃない人は、結果をも味わえない
一方、「合格」という結果が手に入らないと幸せではないと思う人はどうでしょうか。
結果を手にしていない「いま」は不満なものであるだけではなく、もしかしたら合格の幸せすら、十分に味わえない可能性があります。
なぜなら、次には理想的な彼氏や彼女が手に入れらないと幸せじゃない、良い就職先が手に入らないと幸せじゃない、と、次に手に入れたいモノ・結果に目が行くからです。
これは、他人の話ではなくて、私自身も経験があるのです。
大学入学後、恋愛でつらいことがあったとき、自分が一番不幸せだと思ったこともありましたし、就職活動で落ち続けたときは(氷河期真っただ中でした)、自分は社会に必要とされないのではと、深く思い悩んだ時期もありました。
人生は、「合格したときの一瞬」で固定されるものではなく、日々のいろいろな出来事とともに流れ続けていくものです。
その中で幸せを感じ続けるには、1日1日の枠の中で、幸せなことに目を向けて感謝する体質を、自分で作っていくことが大切ではないかと、私自身を振り返りながら、思っています。
欲しい結果を得るためにチャレンジすることは素敵なことです。
でも、結果を得るのは一瞬。チャレンジしている今の時間のほうが、よほど長いのです。
だから、大切な「いま」を味わうことを忘れないで欲しいと思います。
受験にチャレンジしている「いま」をどう見るかが、あなたの人生を創っています。
今日は、「合格したら人生が始まる」という考え方はもったいない。「いま」の中に、幸せの種や輝きを見つけることができる人が、合格のあとも幸せに過ごせるのだ、というお話でした。
何か参考になったら嬉しいです。
学習塾 Dear Hope 代表 英語講師・キャリアコンサルタント 伊藤智子