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受かるべくして受かる自分になる! A判定からの東大合格体験記

Posted by 伊藤 智子 on
合格体験記

こんにちは!
全国オンライン/品川区武蔵小山 学習塾Dear Hope塾長の伊藤智子です。

当塾ホームページの一番人気の記事は、 高3秋までオールE判定からの東大文Ⅰ 現役合格 です。毎日たくさんの方に読んでいただいています。

実際に当塾では、高3になってから、あるいは浪人が決定してから入塾され、他塾や予備校では「合格可能性はほぼが無い」と言われた難関大志望者が見事、合格するというケースも多く出ています。

一見すると不可能そうな目標の達成をサポートすることは、やりがいもある仕事です。また、受験生自身も、自分を信じる気持ちや諦めない精神など、多くのものを得られると感じています。

ただ、受験のスタイルは人それぞれ。直前の1年で追い上げて合格を勝ち取るのも一つの道です。一方で、長期的にじっくりと勉強に取り組み、安心感を持って受験に臨むというのも、また一つの道です。

塾長の私自身は、どちらかというと後者でした。人よりも瞬発力や馬力があったとか、天才性があったとかいうことは、まったくないのですが、重要な教科だけは「誰にでもできる小さな積み重ね」を早くから怠らなかった結果、志望大学を決める前に「東大A判定」になっていた、という感じでした。

準備する時間があるならば、基礎を大切に王道の勉強法を積み重ねて、 「志望大学に受かるべくして受かる」という状態をつくることが理想的  だと思います。

当塾でも、「基礎を大切にした勉強法」を指導することで、応用力まで伸ばすという成果をあげています。

そこで今日は、「受かるべくして受かる自分になる!」ということをテーマに、私が基礎力づくりのために何をやったのかを書いていきたいと思います。

これが、今日の記事のタイトル   「A判定からの東大合格」  の意味です。

東大は、基礎学力の土台をしっかり固めている人にとっては、決して手の届かないようなところではありません。難しい問題ばかりむやみやたらに勉強しても東大合格のチカラはつきませんが、基礎学力の土台は裏切りません。

中学生、高校1・2年生で、東大・京大をはじめ、自分のあこがれの大学を目指したいと思う人には、役に立つこともあると思います。E判定の受験生にも役に立つようなアドバイスも書きました。ぜひ読んでみてください。

1.千里の道も一歩から。目の前の小テストで満点をとってみよう。

中学受験をして中高一貫校(横浜雙葉中学校)に入学した私は、「公立の小学校とは違って、中高一貫校のテストはすごく難しいのだろう」と、内心ビクビクしていました。

中学受験に向けた勉強がほぼ独学だったので(父の仕事の関係でスウェーデンに住んでいたためです)、日本で中学受験に向けて勉強していた同級生たちが凄そうに思えた、というのもありました。

定期テストなど、大きな試験でホームランを打つ自信がなかったので、せめて小テストだけは完璧にしようと思いました。

英単語、漢字、計算、単元のまとめテスト…。これらは「頭の良さ」は関係なく、時間をかけて準備をすれば、高得点を取れるものです。

小テストであまり点数が良くないとすれば、多くの場合、準備の時間が足りていないだけです。小テストでも、満点は嬉しいものです。小さな成功体験を積み重ねると、「やればできる」という前向きな気持ちを持って勉強に取り組めますよね。

小テストなど目の前の小さなことを疎かにして、「もっと効率の良い勉強法、一気に模試で高得点になるような勉強法はないのか!?」と模索してしまう気持ちもわかります。そういう人は、とても多いです。でも、目の前の小さなことからやる、というのは、意外にも、人生を変えていくうえでも大きな力になるのです。だから「まずは小テストで満点!」をお勧めしています。

(これについては、過去にも熱く記事を書きました。良かったら読んでみてください。「何から勉強したらいいのかわからない人へ」)

2.定期試験で得た東大合格の土台

大きなテストでホームランを打つ自信はなかったために、小テストを頑張っていた私。

ですが結局、中間や期末などの大きなテストでも小テストと同じように取り組んでみました。

つまり、試験範囲を丸ごと理解し吸収し、覚えてしまう勢いで勉強したわけです。

このような勉強の仕方で取り組んだところ、 たまたま中学1年生の最初の試験で、学年1位になってしまいました。

順位が出ると、落ちるわけにはいかない気分になるものです。

さらに、自分としては、何か特別なことをしたつもりはなく、ただ時間をかけて準備しただけで学年1位になってしまったので、今度は、こんな心配が生まれました。「みんなはそのうち(たとえば高校生になったら)本気を出すんだろう。そうなったらきっと自分は置いていかれてしまう。今のうちだけはやれるだけやっておかないと・・・!」と。心配性ですね。でも、本気でそう思っていました。そんな焦りから、結局、小テスト・定期試験に全力で臨む中学生時代でした。

当時、2つ思っていたことがあります。

一つは、小テストや定期試験にちゃんと取り組むというのは、自分にとっては、1段ずつ、階段を積み上げて、一歩ずつ上るようなもの。だから、手を抜いたら、足を載せる場所がなくなってしまう気がして嫌だな、と。

もう一つ。よく友達から「どうしたらそんな良い成績が取れるの?頭が良い人は苦労が無くていいよね」と言われていたのですが、私からすれば、「テスト3週間前から全力で準備したら、おそらく誰でも似たような成績が取れる。それをしないのに、うらやましがられてもなあ」ということです。努力したことについて「もともとできる人」と言われて納得しがたい気分でした。

でも今となれば、頭の良さがどうこうよりも、やるべき時にやること自体が、最も重要なことであったのだ、と思うわけです。それに、結局、モトの頭がどうであれ、こうした地道なことをやっていたら、それなりに記憶力も良くなるし、理解力もついてくるし、凡人なりに「頭が良く」なっていくものだと思います。効率も良くなっていきます。だから、人と比べて嘆いてないで、自分の頭を大事に磨いてあげることが大事ですよね。

さて。「1位から派手に落ちてはみっともない」と、プレッシャーを勝手に強く感じてしまって、精神的にきつくなった時期もあったのは事実ですが(乗り越えた方法はまた改めて。)、こうした勉強が、私の大事な基礎を作ってくれたと思います。

ポイントは2つ。
 1、 特に英語・数学について、抜け漏れなく徹底的に基礎力をつくることができた
2、 多くの科目の勉強を集中して行う「勉強体力」をつけることができた  

これを読んでいる人が、すでに高校生や大学受験生だったとしても、決して遅くはありません。まず、英・数について、不安な部分があるならば、中学の範囲に戻ってでも、穴を埋めることをお勧めします。当塾で「E判定からの東大合格」を果たした子たちは、みな、「躓いているところまで遡って基礎の穴を埋める」ことをやったのです。(参考記事:高3から1年で東大文Ⅱ現役合格を叶えた秘訣

3.振るわなかった全国模試をきっかけに勉強法を見直し、数学満点に

定期試験の成績はそんなこんなで学年トップでしたが、高校生になり、高1の秋にはじめて学校で「模擬試験」を受けたら、数学がうまくいきませんでした。

というのも、昔習った範囲を出題されると、忘れてしまっていたりして、解けない問題もあったからです。これが定期テストと模試の違いですよね。

私は高3までは塾に行っていなかったので、「やっぱり塾に行かないと、今後、ついていけないのだろうか」と暗~い気持ちになったこともあります。でも、「まだやれることはあるはず」と思いました。忘れたものをもう一度覚え直し、使えるようにすれば良いのです。そこで、模試に向けて、数学の教科書(数IA,ⅡB)を全部イチから読み、問題をすべて解き直して思い出すという勉強やってみました。

最初は、この作業には、ものすごく時間がかかりました。

しかし効果は抜群で、次の模試で(進研模試ですが)、数学で満点を取ることができ、手ごたえを感じました。

その後、同じことを模試のたびにやっているうちに、復習にかかる時間が短縮されていき、次第に、学校の行き帰りの時間に教科書を高速で見直すだけで、全範囲を復習できるようになりました。

漫然と模試を受けるのではなく、模試を自分の弱点の総復習の機会に利用することはお勧めです!(弱点に限らず、「今回は二次関数を集中的に復習する」など、何かテーマを決めるのもいいですね。)

4.英語は基本例文は暗記しておく

私の母校のテストの中で、役に立ったと思うものの一つが、年に一度の「英語例文暗記テスト」です。中3から高2までだったと思うのですが、短い英文が1000文ほど載っている同じテキストの英文を覚えて、毎年、冬休み明けに一斉テストをするのです。文ごと再現するテストです。

重複しているような文もたくさんあったので、入試のためには1000文も覚える必要はないとは思います。ただ、「文ごと覚える」という勉強をしたおかげで、英作文の問題などでも、言いたいことが口をついて英文で出てくるようになりました。また、「英語として自然な文になっているか」という感覚を身に付けることができました。

暗記した英文のテキスト。入試に向けては、よりコンパクトなものをお勧めします。

そういえば中学生の頃は、定期試験の範囲の英語の長文はできるだけ全部暗唱しました。Progressという厚い教科書で、範囲も決して少なくなかったのですが、演劇の台本を覚えるような感覚で、半ば根性で(笑)やっていいました。これも「英語の感覚を身に付ける」上で役立ちました。

ついでに、私は「お気に入りの英文」をカードにまとめて覚えるということもやっていました。義務感ではなく、「素敵な英文を覚えていたい」という趣味のような感覚でしたが、いまだに、当時覚えた英文はよく思い出します。

お気に入りの英文をまとめたカード。気分転換にたまにイラストも添えていました。
5.勉強ノート&日記

私は小学生の頃から日記をつけていましたが、中高生の頃の日記を振り返ると、「もっと一生懸命努力できたのでは」という、頑張り切れない自分への葛藤が書かれている日も多くあります。(そういう反省の残る日に、決意を込めて日記を書いたから、多いように見えるというのもあります。)

高校1年生の夏のある日、日記を書きながら、「そうだ!勉強ノートをつけてみよう」と思いついたことがありました。

そして高校1年生の9月から「勉強ノート」の記録を開始しました。

シンプルに、「科目ごとに、何をやったか」を毎日書くだけでしたが、これが私の大事な習慣の一つになりました。

勉強ノート(受験期の2月の記録)。慶應(法)はセンター利用で、当時、二次試験は面接でした。

「数日間、手をつけられていない科目」などが一目でわかりましたし、だんだん記録が蓄積していくと、「これだけ頑張ってきた」という自信にもなりました。

日記も、ごくたまに書きたくなった日に、自分と話をするような感覚で書きました。「そもそも、なぜ東大に行きたいのか」「将来、何をしたいのか」など、自分に問いかけながら考えたことを書いていました。今思えば、「受験」に飲み込まれて自分を見失いそうになる受験期に、自分の向かうべき方向性を確認するための、貴重な時間だったと思います。

勉強ノートや日記は、向き・不向きや好みがあると思います。「やってみようかな」と思える人は、取り入れてみてはいかがでしょうか。

6.私の勉強法の弱点 勉強法はひとそれぞれ

今までいろいろ書きました。基礎を大切に積み上げる勉強法自体には、絶対に大切だと思います。ただ、毎日の時間の使い方や勉強の仕方はひとそれぞれです。

たとえば、当塾の数学物理の担当講師は、高校生の時に河合の全統模試で数学200点満点を取って全国1位になったことがあるのですが、「数学・物理にのめり込むように勉強した(そしてほかの教科は、数学・物理に飽きた時にやっていた)」とのことでした。一つの分野で突き抜ける人は、こういう勉強法をする人が多いです。(詳しくは数学の勉強法・偏差値50から80への軌跡

一方、私は英語に欠ける時間は非常に長かったですが、どちらかといえば満遍なく、どの教科もやるタイプでした。

私が中学の頃から、全教科、全力で定期試験に臨んだことは、良い面もありましたが、「大学受験」ということを考えれば、リスクもあるやり方でした。東大対策には科目数も多く、効率よく勉強を進める必要があるのに、中学の頃からの自分なりのやり方・成功パターンが染みついてしまい、そのやり方を手放せず、センターの科目など、あやうく勉強が間に合わなくなるところだったのです。試験には出ないところにもかなり時間を使ってしまったなぁと思います。勉強の姿勢としては「悪いこと」ではないと思います。でも、大学合格という目的を見れば、最短距離のやり方ではありませんでした。

皆さんも、いろんな勉強法を参考にしつつ、自分の現在地から目的地までを、「自分に合ったやり方で」つなぐ工夫をしてください。

7.最後に。受験できることは当たり前じゃない。環境や家族、先生に感謝

2020年、コロナの流行により、入試制度が変更されるところも多くあります。

受験できることは、必ずしも当たり前ではない、ということを感じている人も多いと思います。

ただ、それは今回に限ったことではなく、本当は「当たり前にできること」なんて何もないのですよね。

だから、先のことはわからなくても、今日一日、元気で生きていて、勉強が一生懸命にできる環境にあるのならば、その環境に感謝して、一生懸命にやったら良いと思います。

私の場合は、「中学受験をしてみたい!」と思ったら、父の仕事の関係でスウェーデンに行くことになり、完全に独学で中学受験勉強をすることになった経験があります。その時の孤独や情報のなさ(インターネットもなかった)を思えば、日本で普通に大学受験を目指せること自体、本当に安心感があり、有難いことだと思っていました。

高3の夏には、同居の祖父が体調を崩し、母が看病で家を空ける日が続き、家事の担当が私になり、勉強が思うようにできたなかった期間があります。その時も、「勉強できることは当たり前じゃない」と心から思いました。

「ありがたいことだ」という気持ちがあるから頑張れることって、たくさんあると思います。当たり前ではないことに気づくからこそ、貴重なもの(周りの人、時間、命、チャンスなどなど)を大切にしたいと思いますよね。

入試は結果も大事ですが、プロセスの中で貴重な学びをたくさん得ることもできます。勉強中の「今」こそが、自分の夢に向かって努力する青春の最中なのだと思います。

一人ひとり、乗り越えるべき壁は違うと思いますが、「今が青春の真っ最中」という気持ちを忘れずに、頑張ってほしいと思います。

A判定からの東大合格、参考になりましたか?
具体的なことは以下の関連記事にも書いてありますので、良かったら読んでみてください。以下の東大合格体験記には、おもに直前期のドタバタ劇を書きました。

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