「国語力」は学力向上の土台
こんにちは。学習塾Dear Hope塾長の伊藤智子です。
今日は「国語力の話」を書きたいと思います。
結論は、「国語力の大切さは、いくら強調してもしすぎることはない」ということです。
ただ、「国語力」という言葉を使うのは、適切ではないかもしれません。
というのは、ここでは必ずしも「国語の成績の良し悪し」のことを言っているわけではないからです。
(関係がないわけではないのですが。)
ここで言う国語力とは、どちらかといえば
「母国語の運用能力」
「言語リテラシー」
というものに近いと思います。
その中身は
- 書かれていることの意味を理解する力
- 適切な日本語を使って、理路整然と、ものごとを説明(表現)する力
です。
日ごろ、英語や数学の授業をしていても、また、最新の入試問題を分析しても、思うことは同じです。
それは、「国語力がないと、英語も数学もマトモには解けない!」ということです。
当塾では、国語力の大切さは以前から発信し続けていることではありますが、ここ数年の難関国立の大学入試を見るにつけ、より、国語力が重要になる傾向が強まっていると感じています。
たとえば、数学の問題なのに、ほとんど計算が出てこない、論証の問題があります。
具体的には、 「文字で表された2つの数の公約数が4の倍数でないことを証明する」 といった感じの問題です。
最大公約数の問題は、今年は東大でも北大でも出題されました。
ここでやらなくてはいけないのは、 式と文章を組み合わせて証明していくことです。
式よりも文字のほうが多くなります。
必要とされるのは、国語力の中でも特に「理路整然と説明する力」「書く力」です。
論証の問題は、東大・京大では毎年1問は出題されるものでしたが、他大学ではあまり見かけませんでした。それが最近は裾野が広がり、他の難関国立大でも出題されるようになりました。
「原理原則の理解」に基づいて考えさせる問題も、多く見られるようになりました。
こうした問題に対応する思考力や記述力を支えるのは、まぎれもなく「国語力」なのです。
ここで言っている「国語力」を伸ばすには、どうしたらよいでしょうか。
本当に基本的なことを言えば、「主語と述語がそろった文を意識して書く」「因果関係が他者にもわかるように示す」といったことを意識して文を作ることから始まります。
当塾では、英語、数学の記述問題や小論文の添削指導を行っていますが、こうした基本的なことができていない答案は、意外に多いものです。
内容を正しく読み取る力、理路整然と相手に伝える力は、受験を超えて、人生でも役に立つ力です。コミュニケーション能力の一部です。
勉強は、決して、大学入試のためだけにやるものではなく、 その後の人生の基盤を作っていく力をつけていくためのものでもあると思うのですが、
そうした長期的なことを考えればこそ、
この新しい傾向を踏まえて勉強することは意味があると思います。
この記事を読んでくれている高校生、受験生の皆さんは、特に難関国立を志望するならば、「内容を正確に読み取る」「正しく母国語を使い、論理的に伝える」ということは避けて通れないので、それを大切にして勉強していって欲しいと思います。
もし、お子さまの教育のヒントのためにこの記事をお読みいただいているなら、お子さまの年齢がまだ小さいならば、なおさら、 母国語の運用能力を高める勉強を意識されると良いと思います。
こちらの記事(東大生インタビュー①、東大生インタビュー②)でインタビューに応じてくれた東大生は、学力飛躍の土台となった経験について、「小学校のときに、ハリーポッターのシリーズ全巻を、7回繰り返して読んだこと」と話してくれました。
ハマったのは小学校3年生の時だそうですが、その時期に、大量の国語の文章に触れたこと、しかも「繰り返し」読んだことが、良かったのだろうと思います。
当塾での「国語力を高める記述・表現コース」では、
- 「主語と述語がそろった文を作る。」
- 「因果関係を説明する。」
といった作文の練習をしています。
地味で地道な練習ですが、長い目で見て、これが学力の土台をつくっていくと考えています。
国語力については、また書きたいと思います。
それでは、今日はこの辺で!