成績向上のカギとなる「勉強感覚」を身につけよう

Posted by 伊藤 大幸 on
効果的な勉強法

問題集は何週すればよいのか?

勉強について、「この問題集は何周すればいいですか」「復習は何日後にすればいいですか」という質問をいただくことがあります。
これに対しては、おおよその目安があります。しかし、それよりも先に身につけてほしい考え方、いわば「勉強の目的」があると思っています。

それは、重要な考え方や知識を、自力で再現できる状態にすることです。問題演習であれば、自力で解けるだけではなく、その答えの根拠まで説明できることです。
さらに、それをその後もできる状態に保っていくことです。

この目的を考えると、「3周すれば終わり」「翌日と一週間後に復習すれば大丈夫」と、回数やタイミングだけを先に決めても、本当に身につくかどうかは分かりません。
2回でかなり安定する内容もあれば、何度も戻らなければ自力で再現できるようにならない内容もあります。同じ人であっても、内容によって必要な回数は変わります。

したがって、本来は、できるようになったかどうかを確認しながら、必要なだけ取り組むことになります。

まずは狭い範囲で試してみる

ただ、「できるようになるまでやる」と言われても、勉強に慣れていないうちは、どのくらいやればよいのか分からないと思います。
そこで、一度、狭い範囲で実験してみることをおすすめします。

たとえば、今使っている教材から基本的な問題を10問程度選びます。
そして、その10問について、「自分ならどのくらい取り組めば、一週間後にも根拠付きで正解できるようになりそうか」を予想してみます。

そのうえで、実際に勉強してみます。

最初に問題を解き、できなかったところについては、解説やテキストを確認して理解します。その日のうちに解けるようになったとしても、それで終わりにはせず、翌日にもう一度確認します。

翌日にやってみて、まだ怪しい問題があれば、もう一度解き直したり、解説を確認したりします。それでも曖昧であれば、その翌日にも確認します。

何度も同じ問題に戻ったりして、「こんなにやって、これしか進まないのか」と感じるかもしれません。
ここで大切なのは、最初に決めた回数をこなすことではなく、一週間後にも自力で再現できる状態に近づいているかどうかです。

そして、一週間たったところで、最初の予想と、実際に必要だった勉強量を比べてみましょう。

すると、「思っていたより何度も戻る必要があった」とか、「この種類の問題は、翌日にもう一度確認すればかなり安定した」といったことが、少しずつ分かってきます。
このように、実際に取り組み、できるようになったかを確認することで、初めて自分の勉強についての解像度が上がっていきます。

正解できたからといって、できるようになったとは限らない

ここで一つ注意したいのは、同じ問題を繰り返していると、問題そのものや答えを覚えてしまうことがあるという点です。

この場合、問題には正解できていますが、重要な考え方や知識を自力で再現できる状態にはまだ十分に到達していません。そのため、問題を繰り返すときには、正解できたかどうかだけではなく、根拠まで説明できるかどうかを確認することが大切です。

たとえば、正解できて根拠まで説明できるものを○、正解はしたものの根拠が曖昧だったり、かなり迷ったりしたものを△、自力では判断できなかったものを×として管理してもよいでしょう。

10問中10問正解したとしても、その中に答えを覚えていただけの問題が多く含まれているのであれば、まだ10問をマスターしたとは言えません。このあたりは、自分に正直に、シビアに、でき具合を判定することが大切です。

「覚えたかな?」と確かめる感覚

こうした確認を何度も繰り返していると、何かを勉強したときに、「これは今、何も見ずに説明できるかな」「昨日覚えたあの内容は、まだ出てくるかな」「これは一度正解したけれど、本当に分かっているかな」といったことを、自然に確認するようになります。

筆者が「勉強感覚」と呼んでいるものの一つが、まさにこの「習得状況を日常的にチェックする」感覚です。
何周したかだけで勉強を管理するのではなく、自分が今、本当に再現できる状態にあるかを確かめ、その結果を見ながら、もう一度やるのか、少し間隔を空けるのか、新しい内容へ進むのかを判断します。

この感覚が少しずつ身についてくると、「何周すればいいのか」「どれくらいのペースで復習すればいいのか」ということも、次第に自分で見積もれるようになります。

狭い範囲をできるようにできなければ、広い範囲もできるようにはならない

そして、もう一つ、当たり前ですが大切なことがあります。それは、狭い範囲をできるようにできなければ、広い範囲をできるようにすることはできない、ということです。
10問を自分のものにする経験がないまま100問へ進み、100問を十分に扱えないままさらに次の範囲へ進んでも、できないものが積み重なっていくだけです。

試験範囲が広いと、どうしても先を急ぎたくなります。
しかし、広い範囲をできるようにする場合でも、結局は、その中にある一つ一つの内容を「習ったもの」から「自力で再現できるもの」へ変え、それを維持していかなければなりません。

だからこそ、勉強時間の一部で構いませんので、本記事で紹介した「狭い範囲をマスターする」取り組みを行い、自分の現在の勉強の仕方について実験、研究してみてください。

そこから、自分なりの勉強感覚を育てていけばよいですし、その感覚をつかむことができれば、他の分野を学習する際にも、「何をどうすればいいか」が見えてくるはずです。

なお、Dear Hope では、「学習カウンセリング」を実施しています。どのような勉強をしていったらよいか、どこから手を付けていったらよいかなど、個別のアドバイスを行っていますので、ぜひご利用ください。また、当塾の授業では、授業の際に勉強法についてもお伝えしていますので、軌道修正しながら学習を進めていただけます。

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学習塾Dear Hope 数学講師 数学は全国模試1位、東北大の二次試験では全問完答にて合格