伊藤 智子


英語民間試験導入の延期

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こんにちは。品川区 武蔵小山駅より徒歩4分
学習塾Dear Hope塾長の伊藤智子です。

2020年度からの新大学入試から予定されていた、英語の民間試験の導入が延期されました。

金曜日に発表があり、それ以来、教育業界の知り合いからの連絡や、生徒さんのからのお問い合わせや相談が相次いで、ブログの更新が遅くなりました。

まずは私のつぶやきですが、とりあえず、不透明でややこしい制度が当面は延期という形になって良かったと思います。

何より、受験生の負担が大きかった。

例えば、高2までに英検の準1級を取得している子でも、大学入試においては「高3の4月から12月の間に受験した民間試験の資格」が必要となるため、もう1回(または複数回)、高3で受験する必要がありました。

さらには、たとえば東大が「出願資格」としていた民間試験の最低基準は、英検で言うと準2級(正確には、準2級をスコア1700以上での合格)なので、万が一にも高3で2級や準1級を受けて英検不合格となり、東大への受験資格を失うことのないように、「高3で準2級を受ける」ということを決めていた子たちもいました。なんという、労力とお金の無駄。意味不明だと思いました。

こうした制度が延期になったのは良いものの、釈然としないモヤモヤが残ります。

いままでだって、いくらでも延期の判断をするチャンスはあったはずなのに、半ば強引に改革が進められてきました。なのに、英検の1回目の「予約申し込み」も済んだこの段階で、いまさら「等しく安心して受けられる状態ではないから」という理由で延期の発表をされても、納得がいかないというか・・・。

「もっと受験生のことを考えて!」と訴えたい気分です。

もっとも、全国の高校の先生型も教育関係者も保護者様も各方面、みんな訴えていますね。

さて、今後どうなるのか、という話ですが、
「大学入試における新たな英語試験については、新学習指導要領が適用される令和6年度に実施する試験から導入することとし、今後一年を目途に検討し、結論を出すこととします。 」
というのが文科省大臣の言葉です。

つまり、2020年度から導入だったものを、2024年度からの導入を目指すということに変更になったわけですね。

ただ、「目指す」というだけなので、どうなることやら、分かりません。

私が思うには、ここ数年は結局、現在のセンター試験とあまり変わらない「大学入学共通テスト」が実施されることになるのだろうと思います。

これはこれで、良いことだと思います。

そもそも大学入試は、大学という研究機関が、欲しい人材をが選ぶための仕組みでもあるわけです。

スピーキング力がある学生が欲しいなら、その大学が、そのような入試システムにすればよいだけですし、論理的思考力、記述力がある学生が欲しいなら、そのような入学試験を大学が実施すればよいだけです。

そして、難関国立大学など、これまでずっとそう(論理的思考力を問う記述式の出題がメイン)だったわけです。

それならば、どうして従来のセンター試験を変えなくてはならないのか・・・わからなくなってきます。

とにかく、生徒たちには、制度に振り回されることなく「実力がある子が大学に合格できるという事実は変わらないのだから、学力を淡々とつけていこう」という話をしています。

高1生も高2生も、「いま、英検を受験してもどうせ無駄だから」ということをいう子が増えていましたが、そんなことはなくなったので、自分の実力の向上を確かめる機会として、自分の良いタイミングで資格試験にもチャレンジしたらよいと思います。

最後に、大学入試改革の経緯と「英語民間試験」の問題点についての分かりやすい記事をシェアします。

鳥飼先生の英語教育、とくに4技能やスピーキング力への考え方に、私は共感しています。
www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/414086.html
(リンクが貼れないので、NHK「大学入学共通テスト 英語民間試験導入を考える」(視点・論点)で検索してみてください。)

それでは今日は、この辺で!